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更新日:2020年9月28日
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山形ものがたり YAMAGATA'S STORY
いいじかん山形の祭り編
Hanagasa Festival
最上川沿いの名所を辿る歌詞。
優雅な舞と、ダイナミックな妙技。山形の夏を一斉に染め上げる、花笠の波。
山形花笠まつり
山形市で毎年8月5日から7日までの3日間行われる「山形花笠まつり」は、約1万4千人の踊り手と100万人の観客を集める、山形県を代表する夏まつりです。また、尾花沢市では、8月27、28日に「おばなざわ花笠まつり」を開催し、約3,000人の踊り手が躍動感あふれる笠回しを披露します。
山形花笠まつりのコースは、ライトアップされた山形市の十日町から文翔館までを抜ける1.2km。3時間半にわたって華やかな光景に包まれます。沿道を埋め尽くす大勢の観客。色鮮やかな衣装に身を包み、リズムを刻む太鼓と賑やかな花笠音頭に、足並みを合わせて花笠を振る踊り手たち。暑さに負けない威勢の良い掛け声と軽やかな鈴の音が、街に響き渡ります。
山形県の夏の風物詩となった花笠踊りの起源は、大正の頃に遡ります。尾花沢市で行われていた徳良湖造成の土搗き作業の際、重労働の辛さを忘れるため、そして息を合わせるために唄がうたわれていました。その土搗きの唄は、全国から集まった作業の担い手によって伝えられた船方節や八木節などに県内の唄も混ざり、アレンジされていったものだったのでしょう。
尾花沢花笠踊り
唄にはやがて踊りも加えられ、徳良湖完成の祝賀の際に披露されます。踊りに華やかさを添えたのは花笠。日除けや雨除けとして作業に欠かせなかった菅笠に、特産品だった紅花で染めた紙製の花が飾り付けられました。これが、花笠踊りの原型と言われています。
時代は進み、高度経済成長期真っ只中の昭和38年。蔵王大権現を祭神とする神事と観光PRを結びつけた蔵王夏まつりの一環として、花笠踊りの知名度を一気に高めることになる花笠音頭パレードの開催が決定します。
振付も新しく見直されることになりました。それまでの花笠踊りは立ち踊りが主で、各地区や流派によって10種類ほどあったと言われます。そこで、皆がそろって行進しながら踊ることができるよう考案されたのが、日本舞踊的な「正調花笠踊り~薫風最上川~」(通称女踊り)でした。
振付とともにポイントとなったのが歌詞。それまで固定化していたものに新しく公募した13歌詞を加え、現在は、土搗き唄の名残を感じさせる1番「そろたそろた・・・」から始まって、最上川沿いの観光地を辿る15番構成になっています。
花笠
南陽、長井、村山と花の名所を巡り、湯のまち上山、山形、天童、尾花沢を通り、酒田港へ。出羽三山から、最後は「西の月山おがんできょうはひがし蔵王の夏まつり」で蔵王に戻ります。
県内を旅するような歌詞と艶やかな女踊り。1コーラスで10m進むよう計算された巧みな構成とともに、手拍子のしやすさや踊りやすさも相まって、花笠踊りは広く親しまれるようになりました。女踊りと笠回しに加え、平成10年には「正調花笠踊り~蔵王暁光~」(通称男踊り)も誕生しました。
小さい頃、学校や地区の盆踊りで親しんできた花笠踊りを、大人になってまた踊りたいと願う人や、女踊りの艶やかな衣装に憧れて習い始める人がいます。全国各地で花笠まつりへの参加を心待ちにする県人会。山形市内の大学や多くの専門学校の学生たちも毎年参加。近年は、団体ごとのオリジナリティに富んだ創作踊りも注目を浴びています。
「ヤッショ、マカショ!」ときて、「シャン、シャン、シャン!」
見る楽しみに増して、原点であった自らが踊る喜び、高揚感がそこにあります。
花笠音頭の掛け声は、山形で育った人、山形で暮らした人、山形が好きな人の耳に馴染んだ合言葉。踊り方は違っても、同じ曲に合わせて一緒に花笠を手に舞い、一体となって楽しさを共にする三夜。踊る人の心を結びつける花笠踊りは、50年の時を経て本県の新しい伝統になっています。
<取材協力>
山形県花笠協議会
山形花笠まつり
花笠踊り発祥の地、引き継がれる伝統の五流派
花笠踊り発祥の地とされる尾花沢。この地の花笠まつりは、毎年8月下旬に開催され、上町(かんまち)流、寺内(てらうち)流、安久戸(あくと)流、原田(はらだ)流、名木沢(なきさわ)流といった、伝統的な五つの流派の踊りを観ることができます。それぞれの流派の踊りの違いや、山形市の花笠パレードとの歌詞の違いなど、楽しんでみてはいかがでしょうか。
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