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更新日:2026年2月18日
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令和8年県議会2月定例会の開会に当たり、一言申し上げます。
今月6日に開幕したミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックにおきましては、日本選手のメダルラッシュとなり、県民・国民ともに大きな盛り上がりを見せております。
世界の舞台で躍動するアスリートの姿は、多くの人々に勇気と感動を与え、地域に明るい話題をもたらしてくれております。
今回のオリンピックには、本県ゆかりの選手として斯波正樹選手と森重航選手が出場しましたが、ともに入賞には届かず残念でありました。それでも、果敢に世界に挑んだ両選手の姿は、子どもたちに夢と希望をもたらしてくれたと思います。心から敬意を表しますとともに、今後のさらなる御活躍を期待しております。
1月下旬からの強い冬型の気圧配置により、県内多くの地点で平年を上回る積雪となりました。この大雪により、雪下ろしや除雪作業中の事故が相次いでおり、人的被害は、2月16日現在、死者6名、負傷者67名の合計73名となっております。お亡くなりになった方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。一日も早い回復を願っております。
県では、2月4日に豪雪災害対策本部を設置するとともに、災害救助法の適用を計11市町村に対して決定し、要援護者宅の除排雪支援をはじめ、道路除排雪の徹底や雪害事故防止の注意喚起などについて、市町村や関係機関と連携して対応を進めてきております。また、2月16日には、市長会、町村会とともに、政府に対し、道路除雪費の追加配分について緊急要望を行ったところであります。
今後は、気温の上昇に伴い、落雪による事故や雪崩による被害も懸念されますので、引き続き市町村とともに県民の皆様への注意喚起を行いながら、雪害防止対策に万全を期してまいります。
山形新幹線米沢トンネル(仮称)の早期事業化の実現に向けて、昨年9月に「山形新幹線米沢トンネル(仮称)整備スキーム検討会議」を設置し、トンネルの整備計画と整備スキームについて議論を進めてきましたが、このたび、JR東日本と共同で、設計の一部である地質調査・測量に先行着手することとなりました。
本調査は、着工に向けた第一歩となるものであり、また、整備スキームの確定に向けて必要なプロセスであることから、大きな前進があったものと考えております。
引き続きこの会議を通して、有識者、JR東日本、国土交通省などの関係者とともに検討を深めながら、早期事業化の実現につなげてまいります。
県立米沢女子短期大学では、今年度、外部委員による「県立米沢女子短期大学魅力向上検討会議」を設置し、大学の魅力向上策について意見交換を行うとともに、大学内においても並行して検討が進められたところであります。
その検討結果について、去る1月20日に、大学から「令和8年度から地域連携と情報発信の強化に取り組むこと」、また、「令和9年度から社会情報学科の拡充を図ること」や、「男女共学化し、大学の名称を『山形県立米沢短期大学』に変更すること」などについて、報告を受けたところです。
これらは、米沢女子短期大学がより魅力を高めて学生に選ばれる大学になるために必要な取組みであると考えております。
多くの学生の皆さんが、様々な取組みに主体的にチャレンジしていただける大学、さらに、多彩な力を備えた人材が育つ大学となるよう、大学と連携を図りながら、しっかりと進めてまいります。
それでは、提案いたしました議案の説明に先立ち、県政運営の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
わが国は、本格的な人口減少社会に突入しており、特に地方では、その傾向が顕著となっております。政府は「わが国最大の問題は人口減少である」とし、特に地方からの人口流出に関して、「若者や女性を含む誰もが自ら選んだ地域で住み続けられる社会を実現する」として、社会保障サービスの維持や少子化対策、外国人政策などを総合的に推進する方針を示しております。本県では、第4次山形県総合発展計画後期実施計画において、人口減少を県政の最重要課題と位置づけ、緩和策と対応策の両面から対策を進めているところであり、引き続き、政府と歩調を合わせ、総合的な対策に取り組んでまいります。
若者や女性にも選ばれる地域づくりに向けましては、魅力的な職場づくりや地域の賑わいなど、特に経済に重きを置いた取組みが重要であります。本県では、人口減少が進む中にありましても実質及び名目の県内総生産額はこの10年増加傾向にあります。1人当たり県民所得は直近の令和4年のデータで東北1位となり、令和6年の農業産出額は30年ぶりに3,000億円を超えました。さらに、令和5年の工業製品出荷額は3兆3,500億円を超えて過去最高額となり、なかでも半導体関連産業の出荷額は全国4位、その付加価値額は全国1位となりました。さらには、都道府県単位のふるさと納税の受入額が4年連続で1位となっております。
こうした成果は、本県の優れた特性・資源に基づくものであり、その根底には、先人たちが力を合わせて新たな価値を生み、皆で連綿と引き継いできた「共創」の歴史があります。今年は、明治9年に現在の山形県が成立してからちょうど150周年にあたります。幾多の困難に立ち向かい、この山形県の礎を築いてきた先人たちの功績に思いをはせつつ、将来の発展に向けて、「挑戦」を続けていかなければならないとの思いを強くしているところであります。常に変化を恐れず、新たな技術や価値観、外部の力も取り入れ、新たな時代を切り拓いてまいりたいと考えております。
人口減少の影響により、あらゆる分野で人手不足が顕著となっております。障がい者や高齢者などの多様な人材の活躍を促すことはもちろん、これまで以上に外国人材から活躍していただくことが不可欠になっております。外国人やその家族が安心して暮らせる生活・教育環境の整備など、地域における多文化共生社会の構築を進め、外国人に選ばれる山形県を目指していく必要があります。
また、デジタル化の進展に加え、生成AIや自動運転などの新たな技術の進化が加速しており、私たちの日常や産業活動にますます浸透しております。こうした日進月歩で発展する新たな技術を産業の生産性向上や労働力の補完などにつなげるとともに、これまでにない新たな発想で新商品や新サービスの創出に結び付けていく必要があります。
さらに、人口減少の影響を受ける県内消費を国内外の旺盛な活力で下支えしていくという視点も重要であります。
世界的な有力メディアである「ナショナルジオグラフィック」が、「2026年に行くべき世界の旅行先25選」として、日本から唯一、山形県を選出しました。本県には、豊かな自然や精神文化、多様な観光資源、優れた食文化など、数多くの魅力、優位性があります。今回選出されたことを県民の皆様と共に喜び合いつつ、絶好の好機として、世界に誇れる山形ならではの宝を最大限に活用して広く発信し、インバウンドの拡大につなげていくことが肝要であると考えます。
併せまして、様々な形で本県とつながりを持ち、地域の応援団となる関係人口の活用も重要であります。国土交通省によりますと、本県は居住人口当たりの関係人口数が全国1位となっております。これをベースにしながら、あらゆる機会を捉えて、交流人口・関係人口の拡大を図り、本県の地域経済の活性化や地域の賑わい創出に結び付けてまいります。
また、本県の将来の発展や安全・安心な暮らしの土台となる強靭な県土づくりを進めていくことも重要であります。
今冬は、最上地方を中心に記録的な大雪に見舞われており、多くの県民の皆様が大変な思いをされております。近年の自然災害の頻発・激甚化や夏の酷暑に加え、昨年はクマによる人身被害が過去最多となりました。流域の治水対策をはじめ、県土の基盤となる社会資本の着実な整備など、自然環境の変化への的確な対応・対策にも取り組んでまいります。
加えまして、鉄道、航空、高規格道路など、人々の暮らしや交流を支える利便性の高い広域交通ネットワークの整備を進め、県民の生活環境の向上や賑わいの創出に取り組んでまいります。
こうした新たな取組みを進め、本県の価値を磨き上げていくことで、山形県政150周年の先も見据え、力強く取り組んでまいりたいと考えております。
以上を踏まえ、新年度の県政運営に当たりましては、「令和8年度県政運営の基本的考え方」に掲げた3つの重点化の方向性に基づき、施策を展開してまいります。
自然環境や農産物・食などに代表される本県ならではの豊かさを活かし、デジタルも活用しながら、県民の暮らしの質をさらに高めていくことが重要であります。性別や年齢等にかかわらず、県民誰もが自らの能力や可能性を発揮して、いきいきと活躍できる地域づくりを進めることで、県民の幸福度の向上を目指してまいります。
社会経済環境の変化をチャンスと捉え、新たなイノベーションを生み出すことが重要であります。本県の産業に蓄積されてきた知識・技術や高いポテンシャルを有する「地域資源」と、外部の人材・資本等の「国内外の活力」の掛け合わせにより、付加価値の増大や新たな製品・サービスの創出を進めてまいります。加えて、AI・デジタルの徹底活用による生産性の向上や業務の高度化にも取り組み、県民所得の向上を目指してまいります。
県民の暮らしや産業活動を支える土台が「安全・安心」であります。医療提供体制の整備や地域活動の担い手の確保など、将来を見据えて県民の生活環境の維持・向上を図るとともに、防災対策や気候変動対策の強化により、県民が安心して暮らせる地域づくりを進めてまいります。
これらにより、多様な人材を惹きつける魅力あふれる山形、さらには、第4次山形県総合発展計画の基本目標である「人と自然がいきいきと調和し、真の豊かさと幸せを実感できる山形県」の実現を目指してまいります。県議会の皆様はじめ、市町村や関係機関、そして県民の皆様と力を合わせ、全力で取組みを進めてまいります。
令和8年度の政府の地方財政計画につきましては、物価高の状況のもと、社会保障関係経費や人件費など地方負担が増加する中で、地方が様々な行政課題に対応し、行政サービスを安定的に提供できるよう、地方一般財源総額について、令和7年度を上回る額が確保されました。
一方で、本県の一般財源につきましては、県税や地方交付税はいずれも前年度を上回るものの、社会保障関係経費や公債費が引き続き高い水準で推移するなど、厳しい予算編成を余儀なくされたところであります。
令和8年度の本県を取り巻く情勢をみますと、国際情勢の不安定化による社会経済環境への影響もみられる中で、少子高齢化を伴う人口減少の加速やあらゆる分野での人手不足の深刻化、物価高騰の長期化など、課題が山積しているところであります。
このたびの当初予算案は、こうした直面する課題に対応しながら、県政150周年という大きな節目を迎えた今、これまでの歩みを大切にしながら、新たな一歩を踏み出し、県民の皆様とともに山形県の明るい未来を切り開くため、「生活経済対策・新生やまがた未来予算」として、編成したところであります。
それでは、新年度における主要施策の概要について、「令和8年度県政運営の基本的考え方」に掲げる3つの施策展開の方向性に沿って、御説明申し上げますとともに、喫緊の課題である長引く物価高騰への対応について、併せて御説明いたします。
本県は、明治9年8月21日に現在の県域が確定し、今年150周年を迎えます。この節目に、県政150周年記念式典を開催するとともに、県立博物館における特別展や、山形交響楽団による記念コンサート等を行い、先人たちが築き上げてきた山形県の歩みを振り返ることで、県民が山形県の価値を見つめなおし、ポジティブな山形県の未来をイメージする契機としてまいります。
子育てへの支援としまして、0歳から2歳児の保育料無償化に向けた段階的な負担軽減の対象世帯を今年度から拡充しており、引き続き市町村と連携しながら、子育て費用の負担軽減に取り組んでまいります。
また、将来の妊娠・出産の可能性を広げる選択肢の一つとしまして、新たに政府のモデル事業を活用し、卵子凍結等に関する正しい知識の普及や費用の助成に取り組むほか、結婚を前向きに捉えられるよう、結婚や子育ての良さを広く発信するとともに、多様な出会いの機会の創出や、企業等を含めた社会全体での応援などをパッケージで展開し、結婚支援の取組みを強化してまいります。
教育環境の充実に向けましては、小中学校において1人1台端末を活用して学力の定着度を測定し、その結果に基づき授業の改善を図るとともに、教員の指導力向上に向けた体制整備や、個別最適化された家庭学習の充実を図るなど、「質の高い・深い学び」の実現に向けた取組みを進めてまいります。
また、県立学校の校舎整備としまして、新庄志誠館高等学校や上山高等養護学校、山形盲学校の整備等を引き続き進めるほか、県立高校のトイレ洋式化や特別教室へのエアコン整備を推進してまいります。
戦後80年が経過し、戦争を経験された方が少なくなる中、戦争の悲惨さや平和の尊さを次世代に着実に継承していくため、県内に残る戦争に関する資料の収集・保管や、資料展示のあり方、持続可能な継承の仕組み等について検討を行うとともに、若者自らが地域の戦争の歴史について調べ・学ぶモデル事業に取り組んでまいります。
義務教育を修了しないまま学齢期を経過した方など、様々な背景を持つ生徒が通うことができる夜間中学につきましては、令和9年4月の開校に向けて、設備整備や備品購入など、必要な準備を進めてまいります。
新博物館及び新スポーツ施設の整備に向けましては、それぞれの施設の基本計画の策定を進めるとともに、敷地の測量等を行うなど、施設整備に向けた準備を着実に進めてまいります。なお、両施設につきましては、山形市桜町地内の旧県立中央病院跡地である「県民ふれあい広場」を含むエリアを建設候補地として考えているところであります。
モンテディオ山形の新スタジアムの整備につきましては、民間事業者による建設を、天童市と共同で引き続き支援することにより、新たな賑わいの創出など、地域活性化の取組みを進めてまいります。
全国的にも評価の高いプロオーケストラである山形交響楽団による地域の文化ホールを活用した小中学生向けの音楽鑑賞会の開催を支援するとともに、本県の魅力ある音楽文化と文化資源等を組み合わせた交流型イベントを開催することで、次世代の文化の担い手の育成や、文化を切り口とした交流人口の拡大につなげてまいります。
広域交通ネットワークの充実としまして、山形・庄内両空港の将来ビジョンの策定を進めるとともに、将来の需要予測を行うほか、滑走路延長を含む空港機能強化に必要な概略的な設計等に取り組んでまいります。併せまして、庄内空港における国際線の就航拡大に向けて、国際線施設整備の基本設計・実施設計に着手してまいります。
本県経済の持続的な発展・成長に向けまして、県内経済に波及効果を生む年間売上100億円以上の企業を増やしていくため、関係機関がオール山形で連携し、100億円企業を目指す中小企業の成長戦略の策定を伴走支援するとともに、100億円宣言企業による生産性向上や新事業創出等の取組みを後押しする補助制度の創設や、商工業振興資金における融資メニューの追加などを通して、県内経済の牽引役となる企業の拡大を図り、地域経済の活性化につなげてまいります。
また、デザインやアニメ、ゲームなどを扱う「クリエイティブ産業」は市場規模が拡大しており、若者や女性の雇用の受け皿となることが期待されております。そこで、クリエイティブ分野を志す学生が全国から集まる東北芸術工科大学と連携し、クリエイティブ産業を県内に根付かせるための機運醸成や人材育成の取組み等を推進することで、県内におけるクリエイティブ産業の創出・拡大を図り、若者や女性に選ばれる魅力的な就業の場の創出につなげてまいります。
併せまして、米沢商工会議所新会館内に、産学官が連携し、イノベーションの創出に取り組むための連携拠点を設置・運営するとともに、拠点に集まる人々や企業同士の交流を促進することで新事業創出等に取り組んでまいります。
農業の持続的な発展に向けましては、衛星データ提供サービスのモデル的な導入を支援するほか、樹園地における樹種などの情報を自動判別する技術の開発を進め、農地のマッチングや継承にDXを活用して、農地利用の効率化を促進してまいります。
また、「さくらんぼ果樹王国やまがた」を次代へつないでいくため、農業ニーズと産業シーズをマッチングする研究会を創設するとともに、農作業別に開発プロジェクトを発足させ、農工連携による新たな山形発のスマート農業機器の開発に取り組んでまいります。
加えまして、高温に強く収量性が高い水稲新品種「ゆきまんてん」の令和9年デビューに向けて、種子生産体制の整備から栽培技術の確立と普及、流通販売の推進まで、一貫した取組みを展開してまいります。
関係人口の創出・拡大に向けましては、令和8年度末頃と予定される「ふるさと住民登録制度」の運用開始を見据え、市町村と一丸となった推進体制を構築するとともに、関係人口関連事業や移住関係の情報を利用者の志向にあわせて即時に案内できるよう自動で応答する仕組みを新たに構築するほか、都内で関係人口の拡大に向けたイベントを開催するなど、人口減少が進む中にありましても、外からの活力を呼び込み、県内で活動する人口を増やすことで、持続可能な地域社会の実現につなげてまいります。
交流人口の拡大に向けましては、「ナショナルジオグラフィック」による「2026年に行くべき世界の旅行先25選」に選出されたことを契機に、本県が世界的な観光地として国内外の様々な方々を迎え入れ、再び訪れたいと感じてもらえるよう、県内の駅、空港、主要な観光地や温泉地等を結ぶ二次交通の実証運行を支援するほか、山形県版認定ガイドの養成や、国立・国定公園における案内板等の多言語化に取り組むなど、インバウンドの受入環境の整備を推進してまいります。併せまして、山形県へのさらなる誘客、ひいては交流人口の拡大に向けて、本県ゆかりの発信力の高い方を起用したプロモーションを展開することにより、山形県の魅力を県内外へ強力に発信してまいります。
医療・介護・福祉提供体制の確保としまして、令和13年の開院を目指し、検討を進めている西村山地域の新病院につきましては、現在策定中の基本計画に基づき、基本設計・実施設計に着手するとともに、診療体制や運営体制の整備など、開院に向けた準備を着実に進めてまいります。
また、訪問介護事業所が少ない地域において、通所介護事業所が訪問機能を追加する場合や、訪問介護事業所がサテライトを設置する取組みに支援するなど、安定的な訪問介護サービス提供体制の確保に向けて取り組んでまいります。
加えまして、視覚障がい者が安全に歩行し、地域で自立した生活を送ることができるよう指導・支援を行う歩行訓練士について、令和8年度中に配置することにより、希望する方への安定的な歩行訓練等の実施に向けて、取組みを進めてまいります。
クマ被害対策の推進としましては、昨年11月に取りまとめた「山形県版クマ被害対策パッケージ」に基づき、春季捕獲の強化や河川の藪の刈払い、中間支援組織の設立に向けた準備などを着実に実行に移し、県民の安全・安心の確保に努めてまいります。
災害対応力の強化としまして、視覚障がい者や外国人の方々などの災害発生時の適切な避難行動につなげるため、ハザードマップの内容や気象情報、避難情報を音声で、かつ多言語で提供するサービスを新たに導入し、県内全域で活用できる環境を整備してまいります。
また、平成10年の開館から26年が経過し、体験装置等が老朽化している防災学習館につきまして、本県で起こりうる自然災害を正しく知り、体験する展示を通して、防災の自分事化を図り、県民の防災意識を醸成するため、体験装置等の機能強化に向けた基本設計・実施設計を行うこととし、令和11年度の運用開始を目指してまいります。
災害に強い県土づくりとしまして、令和6年7月の大雨災害で被災した公共土木施設や農地・農業用施設等の復旧工事を着実に進めてまいります。また、河川の流下能力の向上に引き続き取り組んでいくことに加え、洪水による大規模な氾濫被害が想定される市街地において、浚渫の頻度を高める予防的対策に新たに取り組むなど、大雨による被害防止対策を強化してまいります。
エネルギーや食料品価格の高騰が長期化し、県民生活、事業活動に大きな影響を及ぼしていることから、県としましては、政府による「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」なども活用して累次の補正予算により、生活者・事業者への支援に取り組んでおります。
12月補正予算では、市町村が取り組む地域経済の活性化を図るためのプレミアム商品券等発行事業への支援や、中小企業・小規模事業者に対する最低賃金の大幅な引上げを受けた緊急的な支援などを計上し、生活者・事業者に対する幅広い支援に、現在鋭意取り組んでいるところであります。
この度の2月補正予算案におきましても、地域公共交通事業者や運送事業者への支援を追加するほか、県内中小企業・小規模事業者の収益力の向上や持続的な発展を図るため、「中小企業まるっとサポート補助金」を令和8年度当初予算から一部前倒しして実施することとしております。
さらに、令和8年度当初予算案におきましても、こども食堂等への県産米の提供や、低所得の高齢者世帯等を対象としたエアコンの設置を支援するほか、食品関連事業者等の欧州市場への販路開拓や、農林水産事業者の生産性向上等に向けた設備等の導入を支援するなど、これまでの補正予算とあわせて、切れ目なく重層的な支援を行うことにより、引き続き県民の暮らしと事業活動継続の着実な下支えに、全力で取り組んでまいります。
これら施策を推進するため所要の予算を計上した結果、一般会計当初予算案の総額は、7,002億8,400万円となりました。
また、公債管理特別会計など10特別会計予算案は、合計で2,796億8,646万円となりました。
財政運営について、今後を展望いたしますと、依然として多額の財源不足が生じる厳しい状況が見込まれることから、産業振興を通して、県民所得の向上、県内経済の成長につながる好循環を生み出し、県税収入の増加を図っていくことが極めて重要であると考えております。
そのうえで、今回の予算編成と同時に策定した「山形県財政の中期展望」におきまして、歳入面では、県有財産の売却や有効活用の促進、基金や特別会計の利用見込みのない資金の活用等を図り、歳出面では、事務事業の見直し・改善や、行政経費の節減・効率化など、徹底した歳出の見直しに取り組むこととしております。
こうした歳入・歳出両面からの対策を講じつつ、中長期的な財政健全化を推進するため、実質的な県債残高の減少と調整基金の確保に引き続き努めてまいります。
次に、令和7年度2月補正予算案について御説明申し上げます。
まず、本県が直面する諸課題への対応としまして、介護サービスを維持するための介護事業所における設備・備品の購入費等への支援や、老朽化した穀類乾燥調製貯蔵施設などの共同利用施設の再編集約・合理化を支援するほか、衛生的で良好な避難生活環境の基本となるトイレ、キッチン、ベッドの確保や避難所の暑さ対策の推進など、避難生活支援体制の強化に取り組んでまいります。
防災・減災、国土強靱化の推進のための公共事業等につきましては、政府からの内示状況や事業費の精査等を踏まえて補正いたします。
さらに、今年度の執行状況を踏まえ、道路除雪費を増額するほか、県立病院の厳しい経営状況を踏まえ、一般会計からの負担金を増額いたします。
こうした対応に、今年度の執行実績等に伴う補正を合わせますと、一般会計の2月補正予算案の総額は、307億1,700万円の減額となりました。
繰越明許費につきましては、総額で77億1,014万円余を増額補正いたします。
次に、予算以外の案件の主なものについて御説明申し上げます。
山形県行政手続条例の一部を改正する条例の制定につきましては、行政手続法の一部改正に伴い、聴聞等の通知に係る公示の方法を見直すためのもの、食品衛生法施行条例の一部を改正する条例の制定につきましては、飲食店営業のうち従業者が常駐せずに全自動調理機により調理された食品を販売するものに係る施設について公衆衛生の見地から必要な基準を定めるためのものであります。
以上が、今回提案いたしました議案の概要でありますが、内容の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より御説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。
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