「宮城・山形未来創造フォーラム」について
これまでの開催状況
第11回宮城・山形未来創造フォーラム 平成30年度
平成30年5月17日(木曜日)、山形市内において、第11回宮城・山形未来創造フォーラムを開催しました。宮城・山形両県の県民、企業、団体、行政関係者など、約200名が参加しました。
第1部では、両県知事出席のもと、平成30年3月に策定した「新宮城・山形の連携に関する基本構想「未来を共に創る新MYハーモニープラン」」の公表セレモニーを行い、新プランの概要説明や、両県民に対する連携推進のためのアピール等を行いました。
第2部では、両県のさらなる連携・交流の促進を目的として、両県の将来を担う「若者」をテーマとした講演会を行いました。
第1部新プラン公表セレモニー
両県知事あいさつ
《吉村美栄子山形県知事あいさつ要旨》
- 宮城・山形両県は、平成19年に「宮城・山形の連携に関する基本構想『みらい創造!MYハーモニープラン』」を策定し、県境を越えた連携に取り組んできた。
- この10年間で、様々な成果があがった。国道347号の通年通行の実現は、村井知事をはじめ、宮城県の皆様方のお力添えを賜り実現できたものと思っている。
- 両県を取り巻く社会経済情勢は大きく変化するとともに、対応すべき課題は複雑化。
- 両県が直面する課題や変化に的確に対応、持続的に成長し発展していくために、両県のポテンシャルを最大限に活かした連携・協働を進める必要がある。このため、新たな連携構想「新MYハーモニープラン」を策定した。
- 新プランでは、「地域・暮らし」「観光・交流」「産業・経済」「交通基盤」の4つの柱に沿って施策を推進する。
- 新プランについては「宮城・山形未来創造会議」が中心となり推進する。各般の具体的な施策については同会議はもとより、議会や民間企業、両県県民、NPOなど、多様な主体のもと、宮城・山形両県の総力を結集して取り組んでいかねばならない。
- 希望に満ちあふれ、世界を惹きつける魅力ある宮城・山形両県を、皆様と共に創っていきたい。
《村井嘉浩宮城県知事あいさつ要旨》
- 東日本大震災のときだった。吉村知事はいの一番に電話をくださり、「隣の県なので何でも協力するから遠慮なく言って」と言われ、物心両面にわたり支援をいただいた。特に、がれきの受入れについては、受入れを拒絶する県が多かった中で、山形県は知事のリーダーシップで積極的に受け入れてくれた。これは、両県の連携を着実に行ってきた成果ではないかと思う。
- 現在も職員派遣など様々な形で支援をいただいている。今度山形県で何かあったときには恩返しをさせていただきたいと思っている。
- MYハーモニープランがただの構想で終わってしまっては意味がなく、着実に、具体的に計画し、両県が力を合わせて実現してまいりたい。
- 行政の力だけでなく、皆さんの力が必要であるので、行政任せではなく、皆さん一緒になって、両県が発展するよう、御支援、御協力を賜りたい。
祝辞
《宮城県議会・山形県議会交流議員連盟会長 中島源陽宮城県議会議長》
- 両県は北から南まで、県境地域が身近に交流を行っている。また、両県の横軸が東北全体のつながりをつくる原動力となっている。
- 両県を繋ぐバスも1日80本ある。こういった日頃の交流の積み重ねが、両県の経済や観光等、様々な分野での連携拡大へつながると思う。
- 産業面では、吉村知事から放射光の話があった。加えて東北全体としてはILCの話もある。東北地域が新たな可能性に向けて大きく前進する時代に入っている。両県の横軸が、東北全体が発展する上での基盤になる。
両県の連携推進に向けたアピール
宮城・山形両県のさらなる連携の促進に向けて、宮城県議会・山形県議会交流議員連盟副会長 志田英紀山形県議会議長が、フォーラムの参加者を代表して、両県県民に対してアピールを行いました。
- 歴史的な深いつながりや多彩な資源を持つ両県が一体となって、これまで深めてきた絆と信頼を、様々な交流や連携の実践に波及させていきましょう。また、両県間や国内外との交流やイノベーションの創出を進め、希望に満ちた未来を共に創ってまいりましょう。
- 両県の県民一人ひとりが、構想に込められた想いを共有し、その実現のために知恵を出し合い、一丸となって行動し、お互いの力を最大限に発揮してまいりましょう。両県の行政はもとより、議会、住民、企業、NPOなど、両県で活動する様々な主体が、ともに参画し、連携して取り組んでまいりましょう。
第2部講演
5年、10年後の宮城・山形を見据え、目指すべき道とは
《講師》東北芸術工科大学デザイン工学部企画構想学科 准教授 本吉 裕之氏
(概要)
- 自分の理念として、説明するときや新しいサービスを作るときには「自分の母親が分かるかどうか」を基準に考えてきた。これが成功するビジネスの秘訣だと思う。
- 今回の講演に当たって新たな連携構想を読み込んだ。いろいろと制約のある中で作ったものと思うが、一般目線で分かりづらい部分もあった。大学の使命は、こういった内容を分かりやすい言葉にして広く伝えていくことではないかと思う。
- 今の若者は「感情言語」(何も考えずに発する単語。例:「やばい」)の使用が目立つ。しかし、考えを形にするには、頭で考えて言葉にすることが必要。分かりやすい言葉で発信し、今すぐできる行動を積み重ねることが、目標達成につながると思う。
- 全国の自治体同様、大学も少子化と戦っている。いかに幸福感を持ってこの問題に取り組むかと考えたとき、「地域活性化」や「地方創生」の鍵は「持続可能なビジネスモデルをつくること」だと思う。
- 両県に1つ提案したいのは「タマコンバレー」。両県には様々な工場が集まっており、さながら「シリコンバレー」のようであるので、それをもじって名付けた。工場は観光スポットとしても人気。タマコンバレーをぜひ発信してほしい。
第10回宮城・山形未来創造フォーラム 平成28年度
平成29年2月6日(月曜日)、山形市内において、第10回宮城・山形未来創造フォーラムを開催しました。今年度は、「両県の連携によるヒト・モノの交流拡大に向けて」をテーマとし、両県の経済界、県民、行政関係者など約100名が参加しました。
基調講演
演題 地域と連携した仙台空港の発展について
《講師》仙台国際空港株式会社 代表取締役社長 岩井 卓也氏
- 東北地方のインバウンド需要の取り込みの遅れや、東北6県居住者の出国空港の8割以上を成田空港、羽田空港が占めている現状
- 「東北の空を、世界の空へ」のスローガンのもと、2016年7月、国管理の空港としては全国で初めて民営化したこと
- エアラインをビジネスパートナーと捉えるなど空港会社としての役割を見直し、好循環を生み出し、地域への波及効果の具現化に取り組んでいること
- 空港事業の地域への経済効果が非常に大きく、インバウンド観光や貨物需要の創出に向けて、東北の官民とともに需要喚起と路線の誘致に取り組んでいくことの必要性
など、貴重なお話をいただきました。
事例発表
演題 人と地域をつなぐ~山形⇔仙台空港線の運行開始!
《事例発表者》山交バス株式会社 取締役営業部長 髙橋 智氏
- 平成29年4月21日から宮城交通と共同で仙台空港-JR山形駅の直行バスを運行開始予定であること
- 直行バスの運行開始によりインバウンド観光の拡大や利便性の向上につなげていくこと
などを発表いただきました。
演題 仙台空港を活用した宮城県・山形県の県産品等の海外輸出について
《事例発表者》センコン物流株式会社本社営業部次長兼仙台空港営業所長 佐尾 康治氏
- 山形県から果物を台北に輸出する事例などの紹介
- 生鮮品でも入荷日に検疫手続きを済ませて直行便で輸出できることなどの仙台空港活用のメリット
などを発表いただきました。
第9回宮城・山形未来創造フォーラム 平成27年度
平成27年11月27日(金曜日)、仙台市において、第9回宮城・山形未来創造フォーラムを開催しました。
第8回宮城・山形未来創造フォーラム<平成26年度>
平成27年2月6日(金曜日)、山形市内において、第8回宮城・山形未来創造フォーラムを開催しました。今年度は、「スポーツを地域資源とした地方創生」をテーマとし、両県の経済界、県民、行政関係者など約100名が参加しました。
基調講演
演題 地方創生とおもてなしの心~2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて~
《講師》筑波大学・大学院講師グローバル・マナー・スプリングス代表 江上 いずみ氏
東京オリンピック・パラリンピックの開催などを通じた地方のグローバル化の進展を見据え、
- 「おもてなし」とは大切な人をお迎えして、表裏のない気持ちで思いやりを尽くす、見返りを求めない対応のことであること
- 一人ひとりの対応が組織のイメージに大きな影響を与える、100-1=99ではなく、100-1=0になってしまうこと
- 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、外国人観光客等のおもてなしのため、地元の伝統・文化を再認識することが重要であること
- 握手のポイント、訪問時のノックのマナーなど、グローバルマナーの具体例
など、貴重なお話をいただきました。
パネルディスカッション
Jリーグと地域社会~スポーツでの地方創生
《ファシリテーター》山形大学人文学部教授 立松 潔氏
《パネリスト》「ホームタウンTENDO推進協議会」清野 正人氏(事務局/天童市市民部文化スポーツ課行政主査)
「スポーツコミッションせんだい」武田均氏(事務局/公益財団法人仙台市スポーツ振興事業団事務局長)
サッカーJ1リーグ開幕戦で、モンテディオ山形とベガルタ仙台による4年ぶりの「みちのくダービー」の実現が決定し、盛り上がりを見せる中、スポーツを活かした地域の活性化についてパネル討論を行いました。
「ホームタウンTENDO推進協議会」、「スポーツコミッションせんだい」の、スポーツ振興による地域の活性化に向けた取組状況や、今後の課題や目標についてお話しいただくとともに、
- チームの成績に左右されない集客対策が課題
- 地域の方々がスポーツに参加するきっかけを作っていきたい
- 昔に比べて、スポーツを地域の活性化に活かせる条件は整っており、地域住民を巻き込んだ取組みが重要
など、様々なご意見をいただきました。
第7回宮城・山形未来創造フォーラム 平成25年度
平成25年11月7日(金曜日)、仙台市において、第7回宮城・山形未来創造フォーラムを開催しました。
第6回宮城・山形未来創造フォーラム 平成24年度
平成24年11月19日(月曜日)、仙台市において、第6回宮城・山形未来創造フォーラムを開催しました。
第5回宮城・山形未来創造フォーラム 平成23年度
平成23年11月15日(火曜日)、山形市内において、「東日本大震災からの復興」をテーマに、第5回宮城・山形未来創造フォーラムを開催しました。
基調講演
演題 震災復興と東北の未来
講師 株式会社日本政策投資銀行地域企画部地域振興グループ参事役 藻谷 浩介氏
東日本大震災は、多くの尊い命が奪われました大規模災害であったものの、地震の規模と比較して津波以外の被害は少なかった。これは、東北地域は、耐震改修を熱心に進めてきたことや、日本海側と太平洋側の代替性が発揮されたことなどによるもので、東北は「免災」の先進地であり、日本・世界は、東北に学ぶ必要がある、とのお話をいただきました。
また、震災からの復興、東北の未来を考えるにあたっては、今後日本は現役世代がどんどん減っていく時代であり、大量生産・廉価販売ではなく、一人当たりの付加価値を高めていく必要がある。そのためには、水・食料・エネルギー・観光・景観などアジアの中での比較優位性を持ち、物流の要地でもある「東北の真価」を活かした、6次産業化にこそ未来がある、とのご講演をいただきました。
実践事例発表
演題 東日本大震災からの復興への思い
発表者 南三陸ホテル観洋常務 外内 商治氏
二次避難所として、5月上旬からホテルに630名近くの被災者を受けれた際、最も苦労したのは水の確保であったことなどをご紹介いただきました。
また、震災翌日から神町駐屯地(東根市)の自衛隊による道路や橋の復旧や食料・物資の配給等の支援に感謝していること、町民の流出を抑えるため、早急な自治体と国と町民が一体となった政策に期待していることなどをお話いただきました。
演題 商店街のネットワークを通じた復興支援の取組み
発表者 酒田・中通り商店街振興組合理事 佐藤 幸美氏
防災ネットワークでつながりのあった南三陸おさかな通り商店街の復興支援について、南三陸でお店を流された人たちに、物を売って元気になってもらおうと福興市を考え、各地から物を集め月1回のペースで開催していることなどをご紹介いただきました。
また、商店街は流されても地域の信用はなくならないこと、商店街どうしの仲間意識を感じていること、南三陸おさかな通り商店街ができるまで支援を続けていくつもりであることなどをお話いただきました。