更新日:2024年10月31日
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北欧デンマークで子育てをしている時に「山形で子どもを育てよう!」とひらめきました。
東京で生まれ育った私は、たった一度の旅で山形に憧れ、帰国後、親戚も友人もいない山形県に移住し、里山での子育てをしました。幼児期に豊かな感性を育てることは、それぞれの分野での輝く未来につながります。
1、自然や多様な人との関わりを持てること
2、他との比較でなく大切な存在であることに気づくこと
3、愛されていることを実感し自分の命を大切にすること
そんなことができる環境が皆さんの周りにはあります。親だけではできないことを、山形の自然と、周りの大人、そしてコミュニティでの関わりでサポートしてもらいましょう。
・毎日山を見て、その変化を感じる
・近所の人にあいさつをする
・近所におすそ分けを届ける
・郵便屋さんに「ありがとうございます」を言う
・絵日記を書きたい時にだけ書く
・「かてもの(食べられる野草)」を食べる
・雪のかまくらでおやつを食べる
・遊びたいだけ外で遊ぶ
・隣のおじいさんの収穫を手伝う
・紙芝居を作る
子どもの背中をちょっぴり押して、子育てを楽しんだシーンがたくさん浮かびます。娘が幼稚園の頃、近所へおすそ分けを届け「大したもんだ!」と褒められ、ニコニコで帰ってきた時の娘の姿を今も思い出します。これは自己有用感や将来自分の育ったコミュニティを大切にすることに繋がっています。自然の中で遊べる環境では、遊び方を自ら考え、木々や植物、虫に出会い、探究心や環境への関心につながるでしょう。
私は今、里山で60人ほどの子どもたちが通う「えいごくらぶ」をしています。黒板は外にあり、森の木の名前も子どもたちは英語で覚えています。また、デンマークで出会った「森のようちえん」を不定期に行い、プライベートの1000坪の森を整備し、子どもたちのときめきやひらめきを育てています。きっと親の私自身が一番楽しみ育てられました。里山の森でお会いしましょう!
黒田三佳氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味♡:ペンキ塗り、家の模様替え、アウトドアクッキングなどなど
今の子育て事情はといえば、電子機器を駆使すると欲しいものはすぐに手元に届き、赤ちゃんが泣き止む方法や離乳食など知りたい情報は何でも入手できてしまいます。そしてパパ友やママ友も実際には会えなくてもネット上で悩みを打ち明けたり情報交換したり繋がることができるのですから便利な時代になったものですね。
けれど、どんなに便利な社会になっても電子機器にはできないことがあると感じております。肌と肌とを触れ合わせ温もりを感じること、生の声を聞くこと、見つめ合い語らうこと等々、血が通った生物としての行為は子どもにとって不可欠な栄養素なのですから。0歳児はもちろん、幼児期は身体のどこかをパパやママの身体に触れてくるし、言葉を発するようになると「見て見て」「ねぇねぇ」と、見て欲しい!聞いて欲しい!という行動が目立つようになります。どうぞその場で即座に応えてあげてください。そうすることで大切な人に受け入れてもらえた満足感が次への活力になるのです。
私自身を振り返れば、長女6歳・長男2歳で夫が急逝した時、真っ暗闇の深い落とし穴に親子三人が落ちてしまったようで、今後の長い子育てを思い絶望感に襲われた事を鮮明に覚えております。そんな私たち親子を暗闇から救い出してくださったのは、私の友人や両親や義父母、夫の会社関係の方々、長女の幼稚園の先生や地域の方々などでした。実に多くの方々に支えていただいたと感謝の気持ちでいっぱいです。今では長女も長男も親となり、子育てに奮闘する日々を送っています。
AIは、これまで人が担っていた様々な仕事を代わりにこなすようになり、社会も日々猛スピードで進化しています。それでも「子育ての根底にあるものはいつも時代も変わらない。」私はそう感じながら今後も子どもや孫と接していこうと思っております。
「AIには取って代わる事のできないものは何?」
今一度、考えてみませんか?
片桐晃子氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味♡:美術館巡り
娘と共にオランダの美術館を巡りゴッホやフェルメールの名画を鑑賞した事は私の思い出の宝物です。
子育てに頑張っていらっしゃる保護者の皆様、子育ては大変なことばかりですが、ふと、わが子を抱いた時に天使のような笑顔で応えてくれる姿に親としての嬉しさを感じ、一日の仕事の疲れも飛んでしまいますね。そして、乳幼児期の子どもには、様々な心と身体の成長や発達の変化があり、喜びと幸せを感じていらっしゃるのではないでしょうか。
さて、妊娠25週頃になると胎児は、母親の声が聞こえているそうなのですが、生まれてからも母親の声がけや歌を聴くと泣き止んだり、落ち着いたりするようです。また、母親・父親の歌や読み聞かせで熟睡できるようです。
私の音楽療法を受けているお子さんに、こんなエピソードがありました。急性脳症になり、言葉がなかなか出ない2歳児のわが子に懸命に歌いかける母親の姿です。
その子は、じっと母親の目と口元を見て「オーッ」と声を出していました。私は、その子へ何度も童謡の「おいしいな」の歌を歌いかけ、母親には、家庭でも毎日歌っていただくようにお願いをしました。
結果、「お」→「おい」→「おいし」→「おいしいな」が言えるようになり、歌も最後まで歌えるようになりました。その2歳児のお子さんは、発症してから半年経った頃に、以前発声していた「パパ、ママ」が言えるようになったのです。
「毎日一緒に家庭で過ごす時間が多いお父様・お母様が、子どもの一番の先生なんですね。」
これは、子育て支援の講演の時に、私が保護者にお伝えしていることです。
音楽は、リズム、メロディー、ハーモニーの三要素が私たちの心と身体に良い効果があります(歌の苦手な方は読み聞かせで大丈夫です)。父親・母親の歌声や話し声が子どもたちの身体に良い働きかけをしてくれます。家庭は子どもたちにとって温かく、楽しく、居心地が良い場所です。小さいお子さんをお持ちのお父様・お母様には、温かくて柔らかくて優しい声で歌ったり、読み聞かせしたりする時間を、ぜひ子育ての中に取り入れていただきたいと思っています。
二瓶明美氏:にこにこ音楽子育て支援の会 会長(山形県家庭教育アドバイザー)
♡趣味♡:登山、トレッキング
子どもが歩き始めると、一気に子どもの世界がひろがります。
一方、保護者はどうでしょう。歩き始めることは喜ばしい反面、不安が先立ち、つい「これダメ」「危ない」と行動制限してしまいがちです。この頃の子どもは、この世に生まれ、初めて見るモノ、ふれるモノに興味津々、五感をフルにつかって「なんだろう?」と好奇心の芽がむくむくと育ち始める時期です。その好奇心はその子の心と身体を揺り動かし、行動するのです。虫が好きな子もいれば、苦手な子もいる。高いところに登ることを好む子もいれば、のんびりしていることが好きな子もいる。その子の好奇心は、その子の「好きなもの(こと)」を見つけることにつながります。
そして、大人は子どもの好きなことに対し「楽しいこと、成功体験」を好ましく思いますが、「悲しいこと、失敗体験」は大人が介入し、問題解決してしまう場面が見られます。実はこの行為は子どもの自己解決する機会を奪っているのです。見ていると効率が悪くて、手出し口出ししたくなりますが、子ども自身「やってみたい」(自己決定)と決めた時は挑戦する姿を見守ってみましょう。それがうまくいかなくて、モヤモヤ葛藤を抱えたとしても、その子も気持ちを受け止め、安心できる家庭があれば「心の安全基地」となり、いろんな困難を乗り越える力になります。
子どもにとって「遊び」は生きることそのものです。そんな視点で子どもの世界をのぞいてみましょう。新しい発見と大人も忘れかけていた子ども時代を思い出し、ワクワクしてきますよ。
これからどんな世の中になろうと、豊かな子ども時代を過ごした子どもは、自分で考え行動できる、丈夫でしなやかな心を手に入れることができます。心の根っこは、遊びで育つ。大人も遊び心(ユーモア)を忘れず、今しかない「子ども時代」を過ごせるように見守っていきましょう。
村山恵子氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味♡:おしゃべり、猫とたわむれること
小さな子どもは、なぜか急に甘え出してベタベタしたり、ちょっとしたことですぐ泣くことがあります。子どものそんな姿に出会った時、親はどうすれば良いのでしょう。
実は、子どもはそういう姿を通して、あるがままの自分を受けとめて欲しいと訴えているのです。
人は誰でも大小の失敗をします。あるいは、何だか良く分からないモヤモヤした気持ちになることがあります。子どもたちもまったく同じで、その気持ちの全てを受け入れてれもらいたいのです。
子どもは心から共感してくれる人には心を開きます。そして、癒され、気持ちを切り換え、元気になって行きます。そのような経験は、やがて子どもの心に深く染み込み、成長のためのエネルギーとなって行くのです。
でも、そういう子どもには、もう一つ大事なことがあります。それは、痛みや悲しみに堪えて頑張ろうとする気持ちへのサポートです。
人は、いつまでも泣いている訳にはいきません。痛くて泣いた後は、元気に立ち上がって欲しいと親は願います。
そんな時は、立ち直って頑張る気持ちを励まし後押しする。そして、できたことに共感する。こうしたことを、省略せずに丁寧に手助けすることが大事なのです。
そうやって親から守られ育った子どもは、自分自身を価値ある存在だと感じることができます。それが自己肯定感につながり、物ごとに興味関心を持ったり、何か成し遂げたいという目標が生まれたり、その実現のためにチャレンジして粘り強く頑張る力が育ちます。
温かく見守られ支えられた子どもたちは、たとえ挫折したとしても自分の力で立ち上がり、新たなことにチャレンジし、自分で自分の未来を切り開いていくことでしょう。
子どもは悲しい時や嬉しい時も、困った時や頑張ろうとする時も、大人に共感を求めて来ます。その時は、子ども達の笑顔のためにも、ちゃんと彼らの気持ちを受けとめて、その思いが実現するまでしっかり支えられる大人でありたいと思っています。
阿部彰氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味♡「旅行、映画鑑賞、食べ歩き」
〇子育て・家庭教育についてお話ししたい方は、023-630-2876へお電話ください。相談員がお待ちしております。
私は、低学年のころ、U型磁石を持ち歩いた時期がありました。磁石には不思議が詰まっていたからです。
ある日、父が様々な形と大きさの磁石を集めてくれました。思いがけないプレゼントは私を夢中にさせましたが、父はそんな私と一緒に遊ぶことも磁石の何かを教えることもしませんでした。それでも私は、思う存分、好きなように磁石遊びができて、磁石の不思議や面白さをたっぷり味わうことができたので大満足でした。ですから、半世紀以上も前のことなのに、今でもあのワクワクが鮮やかに蘇るのです。
ところで、父は私が磁石を喜ぶことをどうやって知ったのでしょう。この時の父の姿は思い浮かびませんが、私をよく見ていてくれたのだろうと想像できます。父が私に向けていた眼差しと、私に好きな事を存分にさせようとした親心に私は守られていたと思います。
現在私には、低学年の孫たちがいます。天真爛漫でとにかく可愛い存在です。ですから、孫が辛い目に遭わないように、何としても守りたいと思います。一方で、孫たちには幼さゆえの無鉄砲さや危うさも見られます。そのため、「~しなさい。」「~してはいけません。」と、指示や命令の言葉を多くつかってしまいます。我が子を育てるときも同じでした。子どもを「守る」と言いながら、実は自分の安心のために危機回避をさせてきたのかもしれません。そのため、子どもが自分で考え課題に向き合う機会を奪ってきたかもしれないのです。
人は発達課題を乗り越えながら成長していると言われています。例えば、喧嘩をしても仲直りできるという自信は、積極的に人に関わるための原動力になります。この自信は、幼いときから様々な人と関わり、多くの経験を重ねて身に付けるものです。だから、安易に大人が手出しをすることなく、貴重な成長の機会を見守ることが大切なのだと思います。
父は、私を見守り応援してくれる最高の理解者だったと思います。だから、私はずっと父が大好きでした。
笹原英子氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味♡「庭の花を使って生け花をすること」
二十歳をすぎた娘が小学三年生の頃の事です。夜中にトイレに起きた娘は、眠い目をこすりながら用をすませました。ドアを開けて外に出ようとしましたがドアはびくともしません。「カチャ」「ん?」「カチャカチャ」どうにもなりません。叫んだところで、二階で寝ている家族に聞こえるはずもなく、娘は「どうしようか」泣きたい気持ちを我慢して必死に考えたそうです。
結局、トイレの窓によじ登り身を乗り出して脱出成功。玄関のチャイムを「ピンポン、ピンポン」と立て続けに鳴らしました。驚いて飛び起きてきた私に、娘は「もう、死ぬかと思ったよ」と告げました。娘の大冒険を聞いて笑い転げる私に「笑ってる場合じゃないよ。まだドキドキしているんだから!」と、収まらない興奮を抱えたままベッドに入ったのでした。
トイレに閉じ込められたと気づいた時、彼女の胸をかすめたのは、「三枚のお札」の話だったといいます。
願えば叶うという三枚のお札を和尚さんから授けられて山に栗拾いに行った小僧さん。道に迷った小僧さんが泊めてもらった家は、山姥の棲家でした。どうにかここから逃げ出さなければ。小僧さんは、一枚目のお札を便所の柱に貼り付けました。なかなか出てこない小僧に「小僧まだか」と山姥が聞くたびに「もう少し」と何度も答えるお札のおかげで便所からの脱出成功。
それに気がついた山姥が追いかけてくると、二枚目のお札に「山になれ!」、三枚目のお札に「川になれ!」と願(がん)をかけ、必死に走りました。そうして何とか寺の山門までたどり着き、和尚さんに助けてもらえたのでした。
(詳しいお話は、ぜひお子さんと一緒に「三枚のお札」を読んでみてくださいね。)
幼い頃、繰り返し聞かせたこの昔話は、娘の心のかたすみにあり続け、力を貸してくれたのでしょう。「生い立つ心に働きかける知恵」とは、こういうことなのかもしれないと感じた「トイレの冒険」でした。
高橋まゆみ氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味♡「美味しいものを見つけること。お料理すること。」
いくつもの拘束を身に託(かこ)つ年齢になり、ためらうことも多くなりました。そんな時、フト無意識のうちに探る私のポケットには、「三枚のお札」が入っています。
朝日を浴びて起きると、気分も爽快になり、一日頑張る気持ちになりますね。
それは、光が脳の視交叉上核に伝わって、覚醒物質「オレキシン」のはたらきを促し、体内時計がリセットされるからです。さらに、手足を動かすと、勇気の出るホルモンも分泌され、自律神経も整うそうです。
そして、朝ごはんをしっかり食べると2~3時間後には、からだや脳が一番クリエイティブになり、脳が喜ぶゴールデンタイムを迎えます。そうすれば、午前中の勉強は、きっとさわやかに効率よく進められることでしょう。
このような朝の脳のウォーミングアップは、5~6歳頃まで完成するようですので、この時期を逃さないように意識して取り組ませたいものですね。
今は、「早寝・早起き」がキャッチフレーズになっていますが、脳科学からすると、「早起き・早寝」の順にした方が理にかなっているそうです。起床時間を一定にすることにこだわると、日内リズムがすんなりと身に付くと思います。
そして、起きてから15~16時間経つと、「メラトニン」が出てきて、自然と眠りを誘発します。寝入りのときは、光や音を遮り、心を落ち着かせて寝ましょう。寝入りのノンレム睡眠90分がとても大切で、ゴールデンタイムと言われています。この時に、成長ホルモンが分泌されたり、記憶の定着が図られたりします。良質な睡眠を確保して、よい生活リズムをつくってください。
脳のはたらきの中で、もう一つ大切にしてほしいことがあります。それは、自然との触れ合いです。人間は自然の中にいると、右脳が刺激されて心地よさを感じ、感情の回路を優しくマッサージしてくれます。ストレスホルモンも減らしてくれ、自然治癒力も高めてくれます。悩んでも、くよくよしない「デフォルトモード」効果もあります。
室内でゲームするよりも、外に出て自然体験や原体験をたくさんすることを勧めます。自然に触れると脳が喜び、心をリラックスさせてくれます。
リアル体験が強調される時代になっています。令和の日本型教育の視点にもなっているので、ぜひ自然と仲良く遊んでください。
齋藤雅志氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味♡「鉄道旅行」
SLに乗ったり、今年は、あこがれのクルーズトレイン「四季島号」にも乗ったりしてきました。列車に乗っていると、脳から幸せホルモンがたくさん出てくるので、至福の時になっています。
子育てについて話し合う場面で、こんな話をされたお母さんがいました。「長いスカートとサンダルで自転車にのって」「危ないから・・・けがをするよ・・・と、いくら言っても聞かなくて。少しだけなら痛い思いをすることも必要かなと思って見ていたら、やっぱり転んでしまって」「それから少しは自分で考えるようになったんです」と。それを聞いてわたしは、心の中で「いいねえ!お母さん、よく見守ったね」とつぶやきました。
今、なかなか失敗をさせにくい社会になっているような気がします。失敗させるより「転ばぬ先の杖」を与える方が簡単でやりやすいからです。しかし、言うまでもなく失敗から学ぶことはたくさんあります。特に小さなつまずきを乗り越えた経験は、生きる知恵となり、将来にわたって前向きに進もうとする力になっていきます。失敗経験がほとんどなく成長してしまうと、初めてつまずいた時のダメージは何倍も大きくなり、そこから立ち上がるのはなかなか大変です。
だからこそ、小学校の低学年のうちに小さな失敗やつまずいてしまいそうな場面を避けることなく、「うまくいかないことがあっても大丈夫、解決できるんだ」という実感を持たせること、つまり、転んで起き上がる経験をたくさんさせたいものです。
そのため、親や周りの大人は、子どもの話をよく聞いたり解決方法を一緒に考えたりするなど、ていねいに寄り添うことが大事です。その積み重ねが、自分で判断をする力や自尊感情を育むことにもつながっていきます。幸い、低学年の子どもは学校のことや友達のことなど何でも話をしてくれる時期です。忙しい毎日ですが、困ったことやうまくいかないことを話してきたら「ふんふん、そうか。そうなんだ」とゆったりと聴き、解決方法を一緒に考えていけたらいいですね。
鈴木理枝子氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味♡「小物づくり」
パッチワークやキルト、刺し子などお気に入りの布で身の回りのものを作ることが大好きです。どんなものができるか想像しながら針を動かしていると、心が整ってくるような気がします。今は、知り合いの幼稚園児のために布絵本を作っています。
〇子育て・家庭教育についてお話ししたい方は、023-630-2876へお電話ください。相談員がお待ちしております。
私には、3人の娘がいます。(既に全員結婚した)娘たちの事や、自分自身の事を思い出し振り返ってみたいと思います。
小学校高学年のこの時期は、知性が急激に発達したり、中学生になる事を意識しながら、大きく成長する時期だと思います。また、思春期を迎え、精神的に不安定になったり、難しさが出たりする時期でもあります。社会に対しての見方が育つ時期にもなります。「学校や友達の事を何でも話してくれたのに、あまり話さなくなった」「周りの目を気にするようになった」とか、元気で素直な子どもから、そんな変化が表れ始める頃です。
思春期は、子どもの成長や将来の自立にとても大切な時期です。それを親が分かっている事が大切です。子どもたちの言葉だけで判断せず、日頃の生活の様子や表情をよく観察し、さり気なく見守って欲しいと思います。また、友だちと比較し自信を失ったりする時期でもあります。そんな時は、子どもが得意な事や頑張っている事を1つでも見つけ、認めて欲しいと思います。
子どもたちは、友達や学校など様々な関係の中で成長していきます。親子の関係は、全ての人間関係のスタートです。子育てにマニュアルはありませんし、100点満点正解も存在しません。親は、子どもの側にいて、いつも深い愛情で、見守る存在であって欲しいと思います。
遠藤正明氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味♡「登山・読書」
漫才師『中川家』の中川礼二さんは鉄道愛好者として知られ、車掌アナウンス芸の他、豊富な鉄道知識を多くのテレビ番組で披露しています。
中川礼二さんが鉄道好きになったのは、小学4年生の時に、京阪電車の先頭車両に乗ったのがきっかけだったと新聞のインタビューで答えています。目の前のレールや街の景色に心奪われ、それまで全く興味のなかった鉄道が一気に好きになってしまったのだそうです。
この記事を読んで、私事ながら息子との関係の中で起こった出来事を思い出しました。
私は新採の教頭として旧立川町の立谷沢小学校に3年間勤めたことがあります。単身赴任でした。その時息子は小学4年生。赴任を終えて帰ってきた時には、6年生が終わっていました。その間、なかなか遊んでやれない罪滅ぼしと考えたのかもしれません。息子を誘い、県内市町村の温泉めぐりをしました。あちこちでご飯も食べました。
何の意図も計画性もないことを考えると、ただ単に私の好みに付き合わせていたことになります。
その息子が大学を終え、就職する時の話です。山形県に戻ることを決め、面接を受けていました。面接官はたいてい「なぜ山形を就職先に選んだのか」を聞いたそうです。息子は「小さいときに父に連れて行ってもらった温泉の影響」と答えていたと後で聞きました。
県内のあちこちでいいお風呂、美しい風景、おいしい食べ物に出会って山形が好きになったのだそうです。
小学4年の中川礼二さん、そして息子。この年頃は、体験したことを風景とともに心に刻み付けて一生忘れないという時期なのではないでしょうか。でも、それがどんなことなのか本人も親もわからない。偶然のできごとが予期せぬ影響を及ぼすことに今頃気づいている私です。
無意識のうちに自分を探す時と言われている小4~6年生。親は子どもの『興味や好きとの出会い』をお手伝いすることが大切だと思います。
大村亨夫:元山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味♡「旅、旅先での食べ歩き、読書」
〇子育て・家庭教育についてお話ししたい方は、023-630-2876へお電話ください。相談員がお待ちしております。
38年間、小学校・中学校の保健室で養護教諭として働いてきました。「子どもたちに教えてもらったこと」「養護教諭としての見立てと対応」を振り返ってみます。
「子どもに手を当てて、よく話を聞く」ことを心がけてきました。頭痛で来室した時も熱や脈拍を確認します。
前額部がズキンズキンと痛い場合は、感染症を疑います。全体が痛い場合は、
「寝る時刻は、大丈夫なの。」
「疲れがたまると、あなたは頭が痛くなるよね。」
「気圧が低くて、また偏頭痛が出たのかしらね。」
とさぐります。
全体がしめつけられるように痛いと訴える子には、「攻撃欲求が抑えられた」心因性頭痛を疑います。
Aくんに話をよく聞くと、「親に朝いろいろ怒られた。」と訴えます。「朝は自分で起きられない!」「宿題またしてないでしょう!」「何でこれを片付けていないの!」と注意されたそうです。中3のAくんは今にも泣きそうです。「それは、あなたも大変だったね。」と声をかけ、保健室で「頭の中を空にしてリラックスして休もうか。」と、1時間休養させました。
精神的ストレスがあると、自律神経がうまく働かなくなって「頭痛」「腹痛」「気持ち悪い」と訴え、不安があると、「痛み」となって表れるようです。痛みや不調がある時は、手を当てて話を聞いてあげたいものです。
ある時は「大人」として扱ってほしいけれど、困ったときは「子ども」として助けてほしいのが「思春期」なんです。休養させたり、一緒に考えアドバイスしたりすることで落ち着いてきます。子どもに「寄り添ってあげる」姿勢が大切なのでしょうか。
【 背景を理解し こんなことを心がけたい 】
〇 「大変だったね」「痛かったね」手を当てて共感してあげる
〇 ストレスを抱えると「からだの不調」となって現れやすいことを理解する
〇 解決方法を一緒に考えてあげる
〇 また痛くなったら来てねとフォローする 行くところがあると安心する
〇 大人の思いや考えもさりげなく示してあげる
小松ひろみ氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味♡ 宴会の企画と出し物、友だちとランチ、京都・大阪・富山方面への旅行
猫へのお説教
カウンセリングをしていると、保護者の方からお子さんについての悩みを相談されます。「家でいろいろ聞いても何も話してくれないので、何を考えているのかさっぱりわからない」「『志望校に合格したいならもっと勉強しなければいけないでしょ』と言っても全然勉強しない」「スマホばかり見ていて言うこと聞かない」など…思い通りにならない我が子の話をよくお聞きします。本当に思春期の子どもへの関わりは難しいですね。
それではちょっと視点を変えて…。そもそも人生において思春期とは、どのような時期なのでしょうか?
それは、子どもが大人への階段を上り始める時期と言えるでしょう。性ホルモンが活発に働き始め身体が男性・女性らしく変化してきます。それを追いかけるように「こころ」も目に見えませんが大きく変化していきます。思春期の子どもの「こころ」がどうなっているかと言えば、葛藤の連続なのです。子どもとして親に甘え依存してきた「子どもとしての自我」が段々と心もとない感じになっていき、「本当の自分らしさって何なんだろう?」と、哲学的に生き方を追求するという課題に向き合い始めているのです。
ドイツの詩人のゲーテは、思春期を「疾風怒濤」と表現しました。「こころ」に嵐が吹き荒れ翻弄されている、ということです。思春期の課題は万国共通で、いつの時代も変わらないということですね。ということは、実は私たち大人も何十年か前に辿った道なのです。そのときのことを少しだけ思い出して下さい。
「あの頃は親より友達の方が大事だったなぁ」
「自分も親に勉強勉強と言われて嫌だったなぁ」
…色々と思いあたりませんか?
思春期の反抗は一過性のものです。大人が「成長の過程なんだなぁ」と冷静に対応することができれば、子どもの「こころ」は順調に成長し、18歳くらいまでには必ず落ち着いてきます。子どもに反抗されても広いこころで受け止めて下さいね。ほんの数年です。頑張って下さい!
伊藤洋子氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味♡「絵画鑑賞、バドミントン、お酒の飲み比べ、スポーツ観戦、サカナクションのライブへGO!」
子育てとかけて、盆栽と解く。その心は?
「松」と「菊」が大事です。これは、私が大切にしている「なぞかけ」です。「えっ?」と思った方、このエッセイのおしまいまで、お付き合いくださいね。
高校生だった頃の長男の関心事は、学校祭の成功とギターの腕をあげることでした。進路決定の期日が迫るにつれ、私の焦る気持ちは強い語調となり、息子との関係は、ぎくしゃくしていきました。そんな私の接し方を変えるきっかけとなったのは、三者面談で担任の先生がおっしゃった「きみは余力の塊」という言葉でした。
反抗的な息子と過ごすことに徒労感さえ感じていた私は、先生の肯定的なものの見方に大きなヒントをいただきました。見方を変えれば短所は長所に変わります。やってみないと気が済まない性分は、旺盛な好奇心の表れ、図太さは、物おじしないタフな人間性の表れ、と思ったら気が楽になりました。余力の正体を見てみたい、そう心が動きました。振り返れば、それが子育ての転機になりました。これまで先導的だった言動をあらため、伴走者になろうと心を決めました。
そんなある日、息子が「浪人させてほしい」と言ってきたのです。家族みんな、彼が自問自答し続けてきたことを知っています。十分考えた末の結論に異論はありませんでした。
今、長男は彼なりの使命感を持ち、学び続ける道を歩んでいます。親として「あなたは何がしたいの」と見守ることは、号令をかけるより数倍もつらいということを識りました。振り返れば、あの時の息子の一念発起は親離れの証であり、可能性を信じ待つことを決意したことが、私の子離れのきっかけとなりました。
お子さんが思春期や反抗期の真っただ中にいる皆さん、「あの時が山だった」と思える日は、必ずやってきます。お子さんの自分探しに寄り添いながら、自立の門出にエールを送り続けてください。
それでは、なぞかけ問答の答え合わせです。子育てとかけて、盆栽と解く。
その心は・・・「待つ(松)」と「聞く(菊)」が大事です。
遠田裕子氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味♡「キャンプも釣りも大好き!スキーも『そこそこ』楽しんでいます」
「行ってらっしゃい。何かあったらすぐ連絡して」と母が言う。「うん…」
「身体、気ぃつけて…」と父。「うん…」
売店にいた妹は兄に駆け寄り「じゃぁねー」と手を振った。「うん…」
両親にペコリと頭を下げ、妹に手を振るとくるりと背を向けた。18年間一緒に過ごしてきた息子は搭乗口に吸い込まれるように、一瞬で消えた。
「僕がママを守る」「ママが長生きする薬を作るんだ」「お花のお土産だよ」
幼い息子の優しさに何度も心を打たれ、明るい笑顔にいつも心が救われた。可愛くて愛しくて「いい子ねー」と声をかけながら、たくさんの思い出をもらった。
中学2年生の変声期を迎えた頃から無口になった息子。何かあったのかと問えば「別に」と自室にこもってしまう。ケラケラ笑うことも優しさが伝わる言葉も減った。父が問いかけようものなら、もっと攻撃的で荒々しい態度をとる。「なんだ?あいつ」あんなに仲が良かった父はけげんそうに息子の後ろ姿を見つめる。部屋からは友達との会話や音楽が聞こえる。「私たちが何かした?」息子の心が見えなくて寂しくて泣いた日もあった。それでも、息子の弁当を作り「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」と「おやすみなさい」と洗濯物を渡す日々が繰り返された。
高校2年の夏休み明け、「やりたいことがあるから…」と切り出された。叶いそうにない夢を父も母も反対した。変えようと説得した。ここで離れたら一生、一緒には暮らせない予感がして引き止めた。しかし、息子の意志は強く、少しも揺るがなかった。書類とお金を渡し「やれるだけやってみろ」の言葉を添えた。息子は「ありがとう。いつか必ず返すから…」と涙いっぱいの目で笑って見せた。
その姿を見てすべてが許せた。
うたた寝をしている妹に毛布を掛け、父親が病気の時は毎日病室に通った。
この7年間は、親が子離れする時につらくならないように、心の準備期間をくれた。
それが私たちの大切な息子のやさしさ。信じる。あの子なら大丈夫!
親子一緒に思春期からの卒業。
後藤敬子氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味など♡
趣味はたくさんありますが、この子との散歩です。自然に触れ、花に触れ、キレイな空を眺めます。
〇子育て・家庭教育についてお話ししたい方は、023-630-2876へお電話ください。相談員がお待ちしております。
「発達障害」の名称よりは「発達の凸凹(でこぼこ)」ととらえたらどうでしょうか?
人によって発達のスピードが違います。また、得意なことや苦手なことも人によって様々です。
それを凸凹としてとらえていきましょう。そして、ご両親もお子さんもその凹凸と「おりあい」をつけていくことが大事です。
ご両親や周りの人のイライラ感を少なくしましょう。
どうしても、お子さんのできないところや苦手なところを見てしまうと「みんなと同じように、○○するべきだ」「このくらいのこと、できないはずはない」と考えてしまいます。これは「べき理論」(自分の中の絶対的基準にとらえられすぎる)になってしまいます。
お子さんを別の視点から見てみませんか。
・落ち着きがない ⇒ 活動的だ
・人が話しているのに、自分の話をする ⇒ アイデアがあふれている
・人とかかわるより、一人でいることが多い ⇒ 物事をじっくり考える 等々
お子さん自身は、自分のよいところ・苦手なところを知りましょう(高学年以上)
・ぼくは本を読むのは苦手だけど、絵を描くのは得意なんだ。
・私はすぐにイライラするけれど、深呼吸をすれば大丈夫。
できないところだけでなく、よいところもわかる。苦手なことに気づき、対応策を考えることができる。
そのことができるようになるといいですね。
応援団は必ずいます。
親御さんが上記のような視点や考え方に気づいたり、お子さんが自分のよいところを探したりすることは、家族だけでは難しいところがあります。
応援団(同じような悩みを持っている人・支援の仕方を考えている人)はいます。少しでも親御さんやお子さんが発達の凸凹と「おりあい」をつける方法を一緒に考えていきましょう。
金子健氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味など♡ ランニング・登山
無心に動き、やり終えた時の爽快感が最高です。
「自分が好き」「自分はこのままでも良いんだ」
そう言える子、そう思える子は、生きる力を持っていると思います。
私がそうです。ぐうたらであわてんぼう、失敗ばかりしているのに笑ってごまかす。
ちょっとやそっとのことではくじけない人になると思います。
発達障がいを持っているお子さんは、周りと同じように感じたり、行動したりすることが難しく、周囲が期待する反応とは違う態度をとることが多いと思います。
そのせいで注意され怒られて、心が萎縮したり、自分を守るためにパニックを起こしたり、どんどん辛い状況になってしまってはいないでしょうか。
でもそれはその子のせいでしょうか。
どうすればいいのでしょうか。
私は、まずは知る事が大事だと思います。
その子の特性は?得意不得意、好きなこと嫌いなこと、誰が好き?心が落ち着くのはどんな時?困ったことをする時やした後はどんな気持ち?
言葉にできない思いを、たくさん胸にしまっているのではないでしょうか。
でもその子の特性を知ると、生きづらい世界で毎日一生懸命生きていることに気づくことと思います。
人はどんな人でも自分のことを、分かって欲しい・認めて欲しい・誉めてもらいたい・笑顔を向けてもらいたいと思っています。応援してほしいと思っています。
たくさん応援をしてもらった子は、きっと「自分が好き」「このままの自分で良いんだ」と思える人になっていくのだと思います。
保護者の方だけでなく周りの大人みんなが子どもたちの応援団になって欲しい。
応援団になってもらうのに、とても便利なものに「サポートファイル」があります。
そのファイルは、お子さんの個性や配慮が必要なことをシートにまとめ、必要な情報をファイリングしていくものです。幼稚園・保育所・小中学校等、次のステップに進む時、説明しお子さんを理解してもらうことに活用できます。
お父さん、お母さん、一生懸命生きているお子さんに笑顔を。笑顔で「大丈夫だよ!大好き!」と声をかけてください。
佐藤成美氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味など♡
楽しそうなこと、やってみたいなと思うことに一生懸命になることです。
「みんなで遊ぼうぜ~」A君が声をかけると休み時間はみんな彼について出ていきます。女子達も彼に一目置いていて、男子がわちゃわちゃしているのをお姉さんのように見ていました。日直当番で「3時限目で~す」と言うなど(「3校時」ではなく)ちょっと変わった言動をしては皆をくすりとさせるのでした。
給食の時には、当番など関係なしに有志数人であっという間に運搬・配膳をやってしまう、その先頭にいたのもA君です。
でも彼にはこんな一面もありました。机の中から物があふれ、入れたいものが一つも入らず引き出しをお腹で押しこむ始末。書写の時間はもっと大変で、彼の半径1m以内には墨液が飛び散り手も顔も真っ黒…困ったように立つ彼には、誰かが手を貸さなければどうにもならない状況でした。
そんなA君、ある日突然こう言います。「みんなで学校に泊まろうぜ!」「はあ?」ぽかんとする周りを尻目にすぐに教頭先生に頼みに行きますが、当然一喝されて帰ってきました。しかしそれが一大プロジェクトの始まり!言い出しっぺの彼の周りには優秀なブレーンが複数おり、周到な計画を立て親を巻きこみ、校長先生から許可をもらいました。こうして6年生最高の思い出になったのは言うまでもなく、彼は真のヒーローになりました。
* * *
苦手なことは誰かにカバーしてもらえばいい。近くの友達を信頼すればいい。自分の持ち場で自分がやれることをやればいい。「協働」とはそういうことだと教えてくれたのは、心優しいアイディアマンのA君と、その彼を理解し面白がって支えたクラスメート達でした。
「負うた子に教えられ」(自分より未熟な者から教えられることもあるとのたとえ)と言うように、私も教え子たちにたくさん教えてもらったなと今思い返しています。
大沼千絵氏:山形県家庭教育アドバイザー
♡趣味など♡
野山の植物を探しに行く(右の写真は、セツブンソウ)・ドキュメンタリー好き・孫と遊ぶ
〇子育て・家庭教育についてお話ししたい方は、023-630-2876へお電話ください。相談員がお待ちしております。
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